泣かなくなった、5回目のお風呂
平日は妻が娘をお風呂に入れていた。
土日はわたしの担当。泣かなくなるまでのできごと。
最初は泣いてばかりだった
最初は、ギャン泣きだった。
なにもしなくても、浴室に連れていくだけで大泣き。
あまりに泣き続けるので、途中で妻に代わってもらったこともあった。
少しずつ、できることが増えた
2回目のお風呂も、やっぱり泣いた。
それでも、髪を濡らすところまではできた。
3回目。やっぱり泣く。
けれど、今度は頭を洗うところまでできた。
4回目。まだ泣く。けれど、
最後まで、交代せずに入れることができた。
泣かれても、もう焦らなくなっていた。
そして5回目、泣かなくなった
5回目のお風呂。
娘は泣きそうな顔はしたけれど、泣かなかった。
不安そうな顔でこちらを見るけれど、目はしっかり合っていた。
大丈夫だよ、と声をかけながら、お湯をかける。
お風呂の時間が、少しずつ変わっていく。
泣かなくなった5回目を、きっとずっと覚えている。